駐車場シェアリングの基礎知識
駐車場シェアリングは空いている駐車場や土地を他人に一時的に貸し出すことにより、報酬を得るサービスです。普段は利用しないスペースを有効活用して、不労収入を得ることができます。
従来の駐車場経営は、空いた土地を駐車場として整備したり、コインパーキングの設置に必要な工事をして、利用者に貸し出すことが一般的でした。
それが駐車場シェアリングでは、駐車場経営には難しい土地でも平日、週末、数時間のみなど、所有者の状況に応じて気軽に貸せます。狭いスペースも軽自動車やバイクなど、車種を限定した駐車場所として提供できます。
また、料金の受け渡しはサービス運営元が行ってくれるため、利用者と直接お金をやりとりすることはありません。貸し出し中に利用者と対面することもなく、労働時間はスマホで設定するくらいです。
収入は1日500~3000円
駐車場シェアリングでは初期投資はもちろん登録費用なども一切かかりません。その代わり、駐車場が利用されたことで得た売上から手数料が引かれて、その手数料がサービス運営元に支払われます。
akippaに登録されている「甲子園球場周辺」の空き駐車場の実例では、売上が月3万円でした。そこからakippaへの手数料が50%引かれて、利益は1万5000円が残ります。駐車料金は1日2500円のため、月12日利用されていました。
売上3万円×50%=利益1万5000円
売上3万円÷1日2500円=月12日利用
特Pに登録されている「日産スタジアム周辺」の戸建ての実例では、売上が月4万6000円でした。そこから特Pへの手数料が30%引かれて、利益は3万2200円が残ります。駐車料金は15分100円のため、月460時間利用されていました。
売上4万6000円×70%=3万2200円
売上4万6000円÷15分100円=月115時間
駐車場シェアリングでは近隣の相場より少し安めに設定すると、リピーターが増えて稼働率が上がります。土日やイベント開催といった日は割増料金にするなど、細かな料金設定が収入アップのコツです。
副業で駐車場シェアリングを始める手順
駐車場シェアリングの副業を始めるには、駐車場シェアサービスにオーナー登録します。登録後にウェブやアプリに掲載されることで、利用者が駐車場シェアサービスから駐車場を検索して、利用できるようになります。
- akippaや特P(とくぴー)などから駐車場シェアサービスを決めます。
- オーナーの新規登録に進みます。
- 駐車場の住所などの基本情報を入力します。
- 土地の写真を登録します。
- 予約可能期間や貸出可能日時を設定します。
- サービス運営元で審査が行われます。
- 審査に通るとサイトに掲載されます。
- 利用希望者から予約が入ります。
- 駐車場を貸します。
- 手数料を引かれた報酬が振り込まれます。
駐車料金は自分で設定しますが、各社とも料金を自動で設定してくれるコースもあります。大手のakippaや特P(とくぴー)も最適な料金を提案してくれるおまかせなら、手間いらずで人気です。
駐車場シェアサービス7社を比較
大手駐車場シェアサービス7社を比較しました。手数料は30~50%と高く感じるかもしれませんが、集客や決済の代行費用が含まれます。
サービス名 | 手数料 | 特徴 |
---|---|---|
akippa | 50% | 15分単位 会員70万人以上 |
特P(とくぴー) | 30% | 手数料最安 24時間サポート |
スマートパーキング | 50% | 予約不可 スマホ決済 |
B-Times | 30% | 1日単位 運営側が料金設定 |
軒先パーキング | 35% | JAFと提携 2012年サービス開始 |
toppi | 40% | 三井のリパークが運営 |
トメレタ | 35% | 都内中心 |
akippaは50%と手数料が高めなものの、業界最大手で70万人以上の利用会員を誇ります。貸出時間も15分から設定できて、利用者が多いことから予約も入りやすいです。
特P(とくぴー)は業界最安値の30%という手数料が魅力です。24時間対応のコールセンターや損害保険の専門スタッフもいて、サポート力に定評があります。
スマートパーキングでは他のサービスと違って、利用者は事前予約ができません。コインパーキングと同じように空いていたら駐車できるシステムです。そのため、自分が急に駐車場が必要になったときも、利用者に予約されていて使えないといった心配がありません。
B-Timesはタイムズが運営するサービスです。1日単位の貸し出しで、その間は出し入れが自由です。駐車料金は自分では設定できず、駐車スペースの条件からB-Timesが料金を決定します。
立地のよい場所では利用者が見込めるため、手数料の安いサービスに登録したほうが稼ぐことができます。一方、立地の悪い場所は利用者が集まりにくいため、規模の大きいサービスのほうが稼働率が上がります。
メリットはコスト0円と手軽さ
駐車場シェアサービスの大きなメリットは費用がかからず、時間も取られないことです。投資系の副業でありながら、リスクもほぼありません。サイトに駐車場を登録するだけで始められるという手軽さも魅力です。
貸し出し日時の管理さえしていれば、集客や決済もおまかせで作業は一切発生しません。働いてお金を「稼ぐ」ではなく、遊休資産でお金を「生み出す」という不労所得を実現できます。
土地は所有しているだけでは、固定資産税や都市計画税がかかります。もしあなたの自宅、もしくは実家などに遊ばせている土地があるならやらない理由はないほど、誰にでも始めることができる副業です。
デメリットは土地がない人にはできない
1番のデメリットはそもそも土地を持たない人には不可能という点です。その上、立地によって稼げる金額が大きく変わってきます。これは自分の努力ではどうにもなりません。
そのため、成果型の報酬を求める人には適さない副業です。駐車場シェアリングは攻めの副業ではなく、受け身の副業になります。
自宅の駐車場を貸す場合は、敷地内に知らない人が頻繁に出入りしたり、自宅の場所がサイトに公開されるなど、不特定多数にプライベートな情報が出回る心配もあります。
ただ、予約した人にしか駐車場の詳細な情報は閲覧できないなど、サービス運営元も個人情報には配慮もしています。
また、駐車場内の破損や車の無断放置など、利用者が起こすトラブルもある程度は想定しなければなりません。このようなトラブル時の保証やサポート体制を考慮すると、大手の駐車場シェアサービスのほうが安心です。
注意点は複数登録・又貸し・キャンセル
複数登録
駐車場のオーナーの中には利用者を増やす目的で、複数の駐車場シェアサービスに登録する人がいます。しかし、これはほとんどの駐車場シェアサービスでも規約違反に当たります。
基本的にダブルブッキングのようなトラブルを防止するため、1つの駐車場シェアサービスで貸し出しを行っている場合は、別の駐車場シェアサービスに同じ場所を登録することができません。
又貸し
自分が所有していない土地、例えばマンションや月極駐車場を、自分が使用しない時間に貸し出したいという場合も要注意です。
駐車場シェアリングでは基本的には自己所有の土地を貸すことが前提であり、又貸しの場合は管理組合やオーナーの許可が必要になります。
特にマンションの駐車場は住民以外の出入りに不安があり、許可がとれないことも多いです。一方で月極駐車場ではその心配がないために許可が取りやすいとされています。
キャンセル
自己都合で利用者に予約のキャンセルすると、キャンセル料が発生することがあります。日常的に使用している場所を駐車場として貸すときには、空き時間の管理を正確にして、無駄な出費を防ぎましょう。
需要がある駐車場の特徴
駅近やイベント会場、スポーツ施設のように人が集まる施設の周辺は需要があります。立地次第ではバイクのみが置ける程度の狭いスペースでも、コンスタントに利用者が集まります。
駅から遠い住宅街でも「駐車場のない店舗や公園に行きたい、学校や保育園の行事に参加したい、来客や業者の車を停めたい」といったニーズがあって、駐車場を探している人は多いです。
- 駅近や繁華街が近い
- イベント会場が近い
- スポーツ施設が近い
- 駐車場のない店舗の側
- 駐車場のない公園の側
- 学校や保育園が近い
- 大規模マンションが近くにある
- 企業や工場が近くにある
- 周辺にコインパーキングがない
また、穴場はコインパーキングが近くにない住宅街です。周囲に人が集まるような施設がなくても、意外と利用が見込めます。駐車場シェアリングはコスト0円で手軽にできるため、試しに初めてみることもおすすめです。